は と が を韓国語に直訳すると壊れるとき

日本人がつまずく韓国語

は と が を韓国語に直訳すると壊れるとき

は と が を韓国語に直訳すると壊れるとき
白と黒。似ているけれど、役割が違う。
「は」は는/은、「が」は이/가…と覚えたのに、なぜか不自然に聞こえること、ありませんか? 大丈夫ですよ。この2つの助詞は、日本語の感覚と少しだけ違う場所に光を当てているだけなんです。その違いがどこにあるのか、お茶でも飲みながら、一緒にゆっくり見ていきましょう。

このレッスンでできるようになること

  • 韓国語の助詞「는/은」と「이/가」の使い分けがわかる
  • 日本語の「は」と「が」の感覚に頼らず、自然な韓国語が作れる
  • 会話の中で相手がどちらの助詞を使ったか、その意図を推測できる
高先生のひとこと
教室でよくあるのが、「私が日本人です」を韓国語にしようとして「내가 일본 사람입니다」と言ってしまう場面。間違いではないのですが、自己紹介なら「저는 일본 사람입니다」の方がずっと自然なんですね。この「間違いではないけど、ちょっと不自然」という感覚が、今日のレッスンの大切なポイントです。

今日のシーン

韓国人の友人ミンジュンさんの家に、ゆきさんが初めて遊びに来た場面。

会話を通して聞く
シーン全体の音声です。一度通して聞いてから、下の行を追いましょう。

ミンジュン: 유키 씨, 어서 와요. 집 찾기 어렵지 않았어요?
ゆきさん、いらっしゃい。家、見つけるの難しくなかったですか?

ゆき: 아니요, 민준 씨가 보내준 지도가 알기 쉬웠어요.
いえ、ミンジュンさんが送ってくれた地図が分かりやすかったです。
「ミンジュンさんがくれた地図」と特定しているので「가」が自然。

ミンジュン: 다행이다. 밖은 춥죠? 따뜻한 차라도 한잔할래요?
よかった。外は寒いでしょう?温かいお茶でも一杯飲みますか?
「外は(寒いけど、中は暖かい)」という対比のニュアンスで「은」。

ゆき: 네, 감사합니다. 와, 이 그림은 정말 예쁘네요.
はい、ありがとうございます。わあ、この絵は本当にきれいですね。
「この絵」を新しい話題として提示しているので「은」。

ミンジュン: 아, 그건 제 여동생이 그린 거예요.
ああ、それは私の妹が描いたんですよ。
「誰が?」→「妹が」と特定しているので「이」。

ゆき: 정말요? 재능이 있네요!
本当ですか?才能がありますね!
「있다」の前なので「이」を使います。

ミンジュン: 고마워요. 동생은 그림을 좋아하는데, 저는 그림에는 소질이 없어서요.
ありがとう。妹は絵が好きなんですけど、私は絵には才能がなくて。
「妹は〜、私は…」という典型的な対比の「는/은」。

ゆき: 저도 그림이 어려워요.
私も絵が難しいです。
「何が?」→「絵が」難しい、と説明しているので「이」。

しくみ

多くのテキストでは、日本語の「は」を韓国語の「는/은」に、「が」を「이/가」に対応させて覚えるように、と書かれています。もちろん、これは学習の第一歩としてはとても分かりやすい方法です。でも、このルールだけを頼りにすると、すぐに壁にぶつかってしまいます。なぜなら、この2組の助詞は、似ているようでいて、実は担当している役割が少し違うからです。

韓国語の「는/은」が担当するのは、「話題の提示」と「対比」です。「〜についてはですね」と、あるテーマをテーブルの上に乗せるようなイメージです。だから自己紹介で「저는…」と言ったり、一般的な事実として「사과는…(りんごは…)」と言ったりするのが自然になります。また、「Aは〜だけど、Bは…」のように、何かと何かを比べるニュアンスも強く持っています。

一方、「이/가」が担当するのは、「主語の特定・識別」です。たくさんの人の中から「誰が?」、たくさんの物の中から「どれが?」を指し示すスポットライトのような役割です。「犯人はあなただ!」という時の、あの「が」の感覚に近いですね。「누가 왔어요?(誰が来ましたか?)」という質問に「제가 왔어요(私が来ました)」と答えるのは、まさに「来たのは(他の誰でもなく)私です」と特定しているからです。

この違いを知ると、日本人がやりがちな失敗が見えてきます。例えば、自己紹介で「私が田中です」にあたる「제가 다나카입니다」と言うと、相手は「え?誰かと間違えられてるのかな?」と少し身構えてしまうかもしれません。また、「今日は天気がいいですね」は「오늘은 날씨가 좋네요」が一般的です。「날씨는 좋네요」と言うと、「天気はいいけど、(風が強いとか、何か別の問題があるのかな…)」という含みを持たせてしまう可能性があります。このように、助詞一つで会話のニュアンスが大きく変わるのが、韓国語の面白いところであり、難しいところでもあるんですね。

「는/은」: 話題の提示・対比

話の主題(トピック)を提示するときに使います。「〜は」「〜に関しては」というニュアンスです。自己紹介や一般的な事実を述べるときによく使われます。また、「Aは〜だが、Bは…」のように、他のものと対比・比較する気持ちが含まれることも多いです。
例:저는 학생입니다. (私は学生です), 어제는 추웠어요. (昨日は寒かったです)

「이/가」: 主語の特定・識別

文の主語(誰が・何が)を明確に示すときに使います。「〜が」にあたります。「誰が?」「何が?」という疑問に答えたり、新しい情報を伝えたり、数ある中から一つを特定したりするときに活躍します。存在を表す「있다/없다」の前で使われるのも特徴です。
例:친구가 왔어요. (友達が来ました), 고양이가 있어요. (猫がいます)

使える例文

저는 학생입니다.
私は学生です。
自己紹介。話の主題である「私」を提示するので「는/은」が自然。

누가 학생입니까?
誰が学生ですか?
「誰が?」という質問。主語を特定したいので「이/가」を使う。

제가 학생입니다.
私が学生です。
「誰が?」への答え。特定された主語なので「이/가」を使う。

오늘은 날씨가 좋네요.
今日は天気がいいですね。
「天気」という状態を説明。主語を指す「이/가」が一般的。

어제는 추웠는데, 오늘은 따뜻해요.
昨日は寒かったですが、今日は暖かいです。
「昨日」と「今日」を対比しているので「는/은」がぴったり。

한국 드라마는 재미있어요.
韓国ドラマは面白いです。
「韓国ドラマ」というトピックについて一般的な事実を述べている。「는/은」が自然。

이 드라마가 요즘 인기가 많아요.
このドラマが最近人気です。
数あるドラマの中から「このドラマ」を特定して説明しているので「이/가」を使う。

저는 고양이가 없어요.
私には猫がいません。
存在を表す「있다/없다」の前では、目的語のように見えるものにも「이/가」がつく。日本語の「〜がいる/ない」と同じ感覚。

似ている表現・つまずき

自然

저는 다나카입니다.
私は田中です。
自己紹介で自分のことを話題にする場合、「〜は」にあたる「는/은」を使うのが最も自然です。

不自然・注意

参考

제가 다나카입니다.
私が田中です。
間違いではありませんが、「(他の誰でもなく)私が田中です」と名乗るような強い響きになります。誰かに「田中さんはどなたですか?」と聞かれた時に答えるならOK。

自然

서울은 한국의 수도입니다.
ソウルは韓国の首都です。
「ソウル」というトピックについて、誰もが知っている一般的な事実を説明しているので「는/은」が自然です。

不自然・注意

参考

서울이 한국의 수도입니다.
ソウルが韓国の首都です。
「韓国の首都はどこですか?」という質問に答えるなら自然ですが、いきなりこの文を言うと「(釜山ではなく)ソウルが首都です」という、何かを訂正するようなニュアンスに聞こえます。

声に出して確認

練習 1. 「私は日本人です」と、ごく普通の自己紹介として韓国語にしてみましょう。

答えを見る

저는 일본 사람입니다.
(解説)自己紹介なので、私「は」というトピックを示す「저는」が自然です。

練習 2. A: 誰が来ましたか? (누가 왔어요?) B: 先生が来ました。 Bさんのセリフを韓国語にしてみましょう。

答えを見る

선생님이 오셨어요.
(解説)「誰が?」という質問に答えるので、主語を特定する「이/가」を使います。선생님にはパッチムがあるので「이」がつきます。

練習 3. 「数学は難しいけど、歴史は面白い」と、2つの科目を対比させて言ってみましょう。

答えを見る

수학은 어렵지만, 역사는 재미있어요.
(解説)「数学」と「歴史」を比べて話しているので、対比のニュアンスを持つ「는/은」がぴったりです。

お疲れ様でした。「は」と「が」の使い分け、少し感覚がつかめてきたでしょうか? 助詞は会話のニュアンスを作る大切な要素です。焦らず、たくさんの会話や文章に触れながら、一つずつ自分のものにしていきましょうね。次回は、また別の日本人がつまずきやすいポイントを見ていきますよ。

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